グランプリ北京2016参戦記 by せるぷー

 こんにちわ、せるぷーです。

 先日のグランプリ北京にて、まさかのグランプリ2勝目を成し遂げてきちゃいました。シドニーからこんなすぐに次の参戦記を書くとは思ってなかったので、あまり写真とかメモとか取っていないのですが、記憶がなくなる前にいろいろと書き留めていければと思います。

 

 相変わらずの乱文乱筆ですが、ご容赦を。

○金曜日

 今回は午後発夕方着の便。ラッキーなことにイミグレーションが空いていて空港からスムーズに出られたので、タクシーを捕まえて会場に向かうことに。

 

 さて、中国は英語が一切通じない上、金盾の影響でGoogle関係のツールが普通には使えません。上海で何度か苦杯を舐めていたので、会場の場所に関しては中文を用意、VPNも設定してGoogle MAPも使える状態、これならなんとかなる!

 

 …降ろされたところは、なんか門が閉じていて中に入れない場所でした。

 

 まあ、Google MAP様のお力でタクシー降りた地点から会場までは徒歩10~20分ということが分かったのでカートを引きずって歩いたのですが、北京郊外ということもあってか、舗装がところどころはがれていたり、歩道いっぱいに飲食店のテーブルが並んでいたり、とかなり劣悪な環境。しかも会場に近づくにつれて街灯もなくなり、「こんなところでマジックやるの?」みたいな雰囲気が…。

 

 とはいえ、すれ違う人間からマジック臭がしたので場所はあっているだろう、と進んだところで日本人に会い、無事会場に到着。レジストしてプレイマットとか貰って、さてホテルに向かうか…となったのですが。タクシーが見当たらない

 

 仕様が無いので地下鉄で移動しようと、これまたGoogle MAP様のお導きに従い道を歩いていくと。

 

 道のど真ん中に巨大な水たまり。

 歩道はなく、道路の両側には解体中の建物と瓦礫。

 

 イニストラードというより無色マナ出そうだよねこれやばいね、と言いながら、瓦礫の上を歩いてなんとか突破。地下鉄の駅を見つけた時には「あそこに文明がある!」となんか違う喜び方をする始末。

 

 そんなこんなでホテル着いたのが22時。まともに夕飯が食べられるところがなかったので仕方なく駅前のケンタッキーにて夕食を取ることに。明日はまともなの食べれるといいな、と思いながら…。

 

○土曜日-Day1

 おなじみスリープインからのデッキ構築。

 シールドに関しての実戦はプレリのみ、構築の練習はTwitter上に13回分アップしたものの、組み方に関しての意見を貰うこともできなかったので不安を抱えてました。

 

 貰ったプールの特徴は、

 白:枚数足りてないので除外。

 緑:枚数はあるけどほぼコモンしかないので、使って2色目。

 赤:《邪悪な囁き/Malevolent Whispers》他、アンコモンの低マナ圏が充実。レアはない。

 黒:《精神壊しの悪魔/Mindwrack Demon》、《親切な余所者/Kindly Stranger》、《グール馬/Ghoulsteed》、《歯牙収集家/Tooth Collector》などの有力どころがあり、ほぼ確定。

 青:《ゲラルフの傑作/Geralf's Masterpiece》、ルーター(《無謀な識者/Reckless Scholar》)がいるものの、フライング皆無、バウンスなし。

 

 赤黒と青黒で並べてみて、《ゲラルフの傑作/Geralf's Masterpiece》やっぱり強いよねと言うことで青黒へ。いかに勝ち筋を作るかが大事なので、他のカードが多少弱くてもゴッドレアのある色に切り込んだほうがいいと考えてます。

 神話レア2枚が強力なものの環境的に弱い青を使っていることもあり、想定ラインは2敗、上振れで1敗あるかな、という印象でした。

 

 Round3で早速日本人に当たり、4連続で1ランドマリガンから敗北(※3ゲーム目にお互いライフ13で恐怖症になって引き分け)。

 Round4も第1ゲームに1ランドマリガンをして、ああ、これはあかん日なのか? と思ったものの、そこからひたすら2-1でマッチを拾い続けて、気がつけばあれよあれよと6連勝。8勝1敗の14位と、なかなかの位置で初日を終えました。

 

 Round8の瀬畑さんとの第3ゲームでは3/3と4/4で1回ずつ殴って《十三恐怖症/Triskaidekaphobia》のお祈りが通って勝ち、Round9は不屈の追跡者にサリアの副官など強力な緑白相手に、発生の器で強いところが全部落ちてくれたおかげで勝利など、とにかく紙一重のゲームが多く、終わったころにはへとへとに。

 勝ったゲームの半分は傑作による撲殺、残りの半分のうち半分がひたすらタップさせてのビート、そして残り半分が十三恐怖症でした。

 

 さて、最終ラウンドが終わったのは22時過ぎ…。

 ホテル周辺に戻ったころにはケンタッキーすら開いていない時間となってしまい、仕方なくホテルでカップ麺を啜ることに。明日はショッピングモールでまともなのを食べられるといいなと思いながら…。

 

○日曜日-Day2

◆第1ドラフト

 運命の二日目、第1ドラフト。第2ポッドで同じポッドの下家に井上さん、他日本人はなし。

 とにかく2回目のドラフトの時に1番ポッドに入っていることがTOP8への近道なので、2-1ではなく3-0を目指すピック…少しカードをカットしていく量を増やす…を心掛けて。

 

 最初の両面カードが《ラムホルトの平和主義者/Lambholt Pacifist》。これは素直に入るかな…と思った矢先、両脇が《薄暮見の徴募兵/Duskwatch Recruiter》。これはあかんと緑を避け《天使の粛清/Angelic Purge》をピック。次に《つぶやく悪鬼/Gibbering Fiend》を取ったものの、3手目で《歯牙収集家/Tooth Collector》が流れてきたので黒に切り替え。

 その後、5手目くらいで《戦墓の巨人/Diregraf Colossus》が流れてきたことから青黒ゾンビを意識しつつピックを進めたところ、1-8で《闇告げカラス/Crow of Dark Tidings》で黒が周囲にいないのを確信。2パック目に《無情な死者/Relentless Dead》から、見えた《呪われた魔女/Accursed Witch》や《ファルケンラスの後継者/Heir of Falkenrath》も回収できて満足。ただ枚数足りていると思って3パック目に《巣網から見張るもの/Watcher in the Web》をカットしていたりしたらクリーチャーが地味に足りなくなって大慌てするはめに。除去? 最初から見えてないから仕方ない。

 マッチのほうはというと、両面カードの出が良かったせいか3戦連続赤緑に。

《シルブールリンドのカミツキガメ/Silburlind Snapper》に《かそけき翼/Ghostly Wings》を付けて2回殴ったり、《戦墓の巨人/Diregraf Colossus》&《無情な死者/Relentless Dead》のコンボで相手が悶絶したり、最後は相手トリプルマリガンしてくれたりして3-0。ついてました。

 

◆第2ドラフト

 当然の1番ポッド。ここはとにかく最初の2つのうち1つ勝てばいいので、カットとかではなく全力で自分のデッキを作りに行きます。

 初手は両面が《ファルケンラスの後継者/Heir of Falkenrath》だったので、そこからかなーと思っていたらまさかの《戦争に向かう者、オリヴィア/Olivia, Mobilized for War》。

 

下家のまっきーに流さないと!

 

とかそういうネタをやっている場合ではないので即ピック。2手目《オリヴィアの血誓い/Olivia's Bloodsworn》を取ったものの、上が《親切な余所者/Kindly Stranger》から《秋の憂鬱/Autumnal Gloom》で緑黒昂揚っぽくて別の色に逃げたほうがいいかな…と白をつまむ。しかし白は流れて来ず、赤を取っていたらその後流れてくるのは緑ばかり…。返しに黒は回収できたものの、3パック目で《狂気の一咬み/Rabid Bite》が4手目くらいから2連続で流れてきて失敗を悟る。

 

まっきー好きなだけ取って!

 

と全部流して、赤黒の勝ち筋をなんとか集めた結果が以下のデッキ。もうオリヴィアさんで1マッチ取るしかない…。そう思っていました。

 天王山のRound13、相手は二つ上の白黒。…あれ、3パック目に《内陸の木こり/Hinterland Logger》取ってなかった?

 1本目は《悪魔の棲家の狐/Devilthorn Fox》+《グリフの加護/Gryff's Boon》で結構削られるも、オリヴィアさんのお蔭でなんとか押し切ると、2本目は相手が土地3でストップ。こっちも土地3枚で止まるものの、手数はこっちのが上。最後にダブスト叩き付けてこれで次IDでTOP8や!

 

 …と思ったんですよ。

 

 そうしたら、次のラウンドで当たった全勝の魔王が「ライアンしたい」と言い出してIDを蹴るんですよ。全部緑流したやん勝てるわけないやん、と、1本目を1マリガンから落として、「これでTOP8落ちたら一生恨むで」と内心ブチ切れ状態に。

 

 ところが2本目に1マナからのきれいなマナカーブによるビートが決まってタイに持ち越すと、3本目に後手だからと入れた24枚目のスペル、《奇怪な突然変異/Grotesque Mutation》をトップデッキしてライフレースを捲って勝利。

 周囲から散々煽られる魔王をよそに、TOP8が完全に確定して胸をなでおろす自分。最終戦は2位確定なのでID。

 

◆決勝ドラフト

 PTシドニーの権利を手に入れたので、あとプロポイント4点上乗せすれば来季シルバー。優勝で一発上がりできなくとも、1回でも多く勝ってポイントを詰めたい。あと、今回から1回勝つごとに賞金の上がり方が大きくなったので、とにかく1没しないことを目標にと考えてピックを進めていきました。

 

 最初のパックの両面カードは《呪われた魔女/Accursed Witch》。初手としては満足の一品ですので取ろうかな、と思ったらレア枠から《床下から/From Under the Floorboards》がこんにちわ。

 うわあああ、これ絶対黒被るやつやん…と思ったものの、さすがにカードパワーが違いすぎるので床下をピック。続いて《グール馬/Ghoulsteed》を取ってどっちの色のマッドネスに行くか考えてたところで《貪欲な求血者/Ravenous Bloodseeker》が来たので赤黒確定。4手目《マウアー地所の双子/Twins of Maurer Estate》、5手目《ステンシア仮面舞踏会/Stensia Masquerade》で赤黒吸血鬼方面へ。以下、2パック目の2手目くらいで《放たれた怒り/Uncaged Fury》を取ったりとじっと辛抱のピックを続けた結果、3パック目で《癇しゃく/Fiery Temper》、2枚目の《ステンシア仮面舞踏会/Stensia Masquerade》がやってきて一気にデッキが強化。かなり強力な赤黒ヴァンパイアが完成。

 

 さすがに第2ドラフトよりはぜんぜんまともで、これはもしかしたら…

 ここからはカバレージに全部ありますが、決勝ラウンドはすべて2-0。

 とはいえ、決勝2本目は1ターン目に山セットして相手の3/1をすぐ除去しておけばもっと簡単なゲームになっていたのに、最初の3ターンの行動全部ミスってて面倒な展開にしてしまったあたりが大反省。ほんと、ここぞというところで《ヴォルダーレンの決闘者/Voldaren Duelist》を引けたことが勝因ですね。

 

◆なお

 終了時間は22時。結局北京では1回もまともなご飯を食べられませんでした…。決勝ドラフト前にお弁当を食べていたのでおなかは持っていましたが。

 そして帰国したら2kgほどやせていました。いつもはGP終わると太ってるのに。

 

 

○戦い終えて

 そんなわけで8年ぶりのグランプリ優勝、そして初の色付き(シルバー)プロプレイヤーとなることができました。

 インタビューにもありましたが、グランプリ2勝したので次の目標はプロツアーサンデーですね。ありがたいことにシドニーとホノルル、2連続出場の権利を手に入れられたのと、やっとモダン以外のプロツアーに出られるので、今度こそ好成績を収めたいですね。

 

 ここまで読んでいただきありがとうございました。

 それでは、どこかの会場で。

 

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